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家族で世界を移動しながら「好きな場所で好きに仕事する」〜何ものも諦めない女性にとってのベストなライフスタイル

Text:中林くみこ
編集:トイロハ・ワークス編集部

わたしは2009年、カナダ在住中に、DEVELOP Language Instituteという英語の学校を現地で立ち上げ、2019年からは完全にオンラインで英語を指導しながら、家族で世界中に移動して住むというライフスタイルを実践しています。家族構成は夫と1歳半の娘ですが、現在妊娠9ヶ月で2月には次女を迎えて4人家族になる予定です。

生まれは姫路、育ちは神戸です。大学と社会人最初の勤務先は大阪でした。というわけで生粋の関西人です。小学校の時から英語を習わせてもらい、英語や英語圏の文化がとても好きで、大学では英語英文学科を専攻しました。また影響を受けたのが『金持ち父さん、貧乏父さん』や本田健さんの「幸せな小金持ち」シリーズです。これらを読んで、「私も好きなことで起業して、経済的な自由を手に入れたい!」と強く思いました。

しかし、当時はどうすれば良いかわからず、折しも就職氷河期真っ只中。大学を出て、英語とまったく関係のない金融関係の仕事に従事していましたが、「やはり英語が好き!起業するにも、英語力をまず身につけよう!」という気持ちが沸き起こり、カナダに英語留学しました。

カナダで学校を設立した理由

カナダでは留学センター(エージェント)で4年ほど働いていました。そこで生徒に紹介するために色々な語学学校を見学してまわっていたのですが、正直言って、自信をもって生徒に紹介できる学校がありませんでした。ほぼ全ての学校で「怠け心」「サービス精神のなさ」「パッションのなさ」を感じて、ほとほと嫌気がさしました。

要するに、儲け主義になってしまっていて、本当に生徒の英語を伸ばそうと考えている学校がなかったのです。大きな学校の場合、ひとクラス15人〜20人の大人数が詰め込まれ、南米やヨーロッパ出身のすでに英語力が高い、性格も積極的な学生がずっと話し込んでいて、日本人の生徒はただ自分の番が回ってくるのを待っているという光景をたびたび目にしました。

そこで、「それなら自分でクラスを作ってしまった方が早い」と思い、留学センターを間借りして、夜間の少人数の英語クラスを始めました。すると意外に需要があることがわかり、3ヶ月くらい経ってからスペースを借りて本格的に始めることにしました。つまり、会社設立のために周到な準備をしたのではなく、流れに任せて勢いで始めてしまったという感じです。今思えば、怖いもの知らずですが、目標にしていた「社長になる」「起業する」という夢が実現する「わくわく」の気持ちのほうが勝っていたのです。

会社を設立するにあたって、まずは会社登録をしなくてはいけません。ネットで調べたり人に尋ねたり、役所をたらい回し(これはカナダあるあるです)されたりして、最終的にオンタリオの会社登録の役所にたどり着いたのは良いのですが、登録用紙の書き方が難しすぎてさっぱりわからない。スタッフたちに聞くと、カナダは訴訟社会なので通常は「弁護士に聞いて書いてください、私では責任がとれません」と言われるのですが、そこは20代の女の子というアドバンテージ(?)なのか泣きそうな顔をしていると、仕方なく「こう書いている人が多いかもよ」と遠回しな言い方で、結局全て書き方を教えてくれました。

今思えば大胆だったなぁと思いますが、それでなんとか書類も受理され、その後10年間、何かの手続きに会社登録の書類を提出する時でも問題になったことがないので、たぶん大丈夫だったのでしょう…。

なぜ英会話ではなく、IELTS(アイエルツ)を教えているのか

語学学校をはじめてしばらくは、他の学校と同じように「英会話」「スピーキング」のクラスをつくり、カナダ人のネイティブ講師を雇って運営していましたが、「英会話」ってどうしてもゆるい響きがあります。

あくまでわたしの個人的意見ですが、英語って一生懸命勉強しないといけないものだと思うのです。週1回英会話学校へ行って終わり、みたいな人が全然しゃべられるようにならないというのはよく聞く話です。それでたくさん勉強してほしいわけですが、それは難しい。なぜなら、目標がないし、モチベーションも続かないからです。だったら、はっきりとスコアとなって自分の上達度が目に見える、資格の対策コースが最適だと考えました。

また、自分自身が生徒一人ひとりに向き合って教えたいという思いがあり、自分のやりたい「愛のあるスパルタ」を実践できる、というところも魅力に感じました。英語の資格試験といえばTOEICが有名ですが、あまりにも競合が多すぎます。そんな時に、現地でビジネスを展開されている日本人の移民コンサルタントから、「IELTS(アイエルツ)をやってはどうですか?」とアドバイスを受けました。移民コンサルタントとは、カナダに移民したい日本人をサポートする仕事ですが、カナダに移民申請する際には必ずIELTSという英語試験の合格スコアをクリアしなければなりません。それに苦戦している日本人が多いというのです。

イギリスのケンブリッジ大学が発祥の試験で、これがなかなかハードコアな、アカデミックな試験で、「私にぴったりだ!」と思い、早速始めました。その時はあまり意識していませんでしたが、大多数の人が「IELTS?何それ?」となるマイナーな試験です。ビジネスとしては非常にニッチなところを狙っていくので、まさに「ブルーオーシャン」と言えます。私がやっていたような小さな規模の学校としては、最適な選択だったのです。そのコンサルタントさんのご紹介も受け、生徒は徐々に増えていきました。

経済的な自由を得るために始めたこと

ところで、元々の目標であった「経済的な自由」に関しては、なかなか苦戦していました。多くの自営業者が陥る罠ですが、やはり自分の会社ということで、会社員の時以上に働いてしまうんですね。もう、起きている間はずっと仕事のことを考えて、1日12時間以上は働いている状態。徹夜で教材を作ったりすることもざらでした。とにかく夢中で7年ほど奮闘していましたが、35歳くらいになって今後の人生を考えると、子どもも欲しいし、他の国にも住んでみたいし、いざとなったら日本にもすぐ帰れる選択肢、まさに「好きな場所で好きに仕事ができる自由」が欲しいと考え始めました。

一方で、トロントに住んでいる日本人だけではなく、カナダ中はおろか、世界中に住んでいる日本人の英語学習をサポートできるよう、スカイプを使ってレッスンを提供することを始めました。これも、「留学したい、移民したい日本人は世界中にいるから」という現地の移民コンサルタントのアドバイスがあったからですが、確かにスカイプレッスンを始めてからほどなく、日本だけではなく世界中の色々なところに様々な事情で住んでいる日本人が受講してくれるようになりました。

ちょうどその頃、日本人のパートナーに出会い結婚しました。夫は寿司職人で、世界のどこでもすぐに仕事を見つけられるので、色々な所に住んでみたいという願望を持っており、私の理想の生活にピッタリでした。有り難いことにすぐに子どもにも恵まれました。妊娠中に、夫婦で「トロントは寒いから、西海岸に移動して住みたいね」という話も出てきて、 そうなってくると、「好きな場所で好きに仕事ができる」ことの重要性を感じざるを得ません。

折しも、スカイプレッスンが軌道に乗ってきており、月によっては通学でのレッスンの売り上げを超えるようにもなりました。そして、さらに時間の自由を求めて、「通信講座」をスタートさせました。これは、受講生にこちらから出した課題に取り組んでいただき、返送されてきたものを赤ペン添削して復習教材とともに返すという講座で、すべてをEメールベースで行うので、(もちろん締め切りはあるものの)生徒と学校の双方向で完全に自分のペースで行うことができます。この講座は認知されるのに少し時間がかかりましたが、可能性を感じていたので、今までの知識を総動員して教材を作り上げました。その甲斐あって、通信講座だけでも月々コンスタントな売り上げを上げられるまでになりました。

経済的な自由があることのメリット

ここが決断の時だと思いました。つまり、オフィスという概念をなくし、完全にオンラインで事業を行っていこうという決断です。さらに紆余曲折を経て、スカイプレッスンは時間が拘束されるという理由からスタッフに譲渡し、今では通信講座のみで少人数の生徒としっかり向き合って指導を続けています。仕事のペースとしては週10~14時間程度の労働時間で、いつ仕事をするかは自分で決められます。

長女を2017年8月に出産後、それまで住んでいたトロントを離れ、バンクーバーに移動して、暖かい気候を楽しみながら半年ほど暮らしました。カナダは大きな国なので、トロントのある東海岸とバンクーバーのある西海岸では大きく気候が異なるのです。第2子を妊娠しましたが、妊娠5ヶ月の時点で、1歳になったばかりの娘を連れて家族でバンクーバーを出て、車でのカナダ横断を決行しました。私や娘の体調を考慮して3週間ほどかけたゆっくりな旅でした。

この車でカナダとアメリカを横断!かなり古い車ですが良い仕事をしてくれました。

いったんトロントに戻ってきてから、今度はヨーロッパに飛び、1か月ほどかけてポルトガル、スペイン、イタリアを回りました。そして、台湾を経由して日本へ帰国。2か月弱をかけてほぼ世界一周をした長い旅でした。

この間も、タイミングを見計らって、週10~14時間程度の仕事は続けていました。ホテルやカフェなどでWifiを見つけてパソコンを開きます。旅先では時間が限られているので、自宅よりも集中できますし、これまでと変わらず月々の収入があることは、長旅では大変に有り難いことでした。

一時期、『金持ち父さん、貧乏父さん』で紹介されていたように完全な「不労所得」を目指したこともありましたが、私は仕事が趣味のようになってしまっているので、時間が完全に自由になってしまうと何をやったら良いかわかりません。ですので、「好きな場所で、好きな時に」という自由を持ちつつ、社会とも関わることができるバランスを探って来た結果、現在のスタイルになりました。

このスタイルは私の長年目指していたところである「経済的な自由」を実現できているという実感があり、下記のような数多くのメリットを感じています。

経済的に自立し、時間の自由を得ることで、ゆるぎない自信が得られる

特に女性の場合、結婚や出産を経て、時間の自由が大幅になくなるケースが多いです。かといって、育休・産休を取ったり、専業主婦になると社会とのつながりを持ちにくく、また経済的にも自由が少なくなります。私の考えでは、「自分で食べていくだけのお金を稼いでいる」=「経済的に自立している」というのは根本的なところで大きな自信、ゆるぎない自信につながると思うのです。だから出産、育児、夫の転勤などのイベントがあっても常に自分の力で稼いでいくことができる、というのは特に女性にとっては大きなパワーだと思います。私もこれがあるから、精神的に安定しており、ひいては家族にも良い影響を与えているのではないかなと思います。

朝起きて、好きな仕事スタイルを選ぶことができる

オフィスへ通勤するという物理的な制約から解き放たれた状態は、つまり、自分の予定を自分でいつでも決められる、という自由を意味します。朝起きて、気分が乗らないと思ったら休みにすることもありますし、スタバなどのカフェへ行って仕事をすることも好きです。気が向いたときには、朝から晩まで仕事をすることもあります。この状況は、幼い娘がいて妊娠中という状況ではものすごく大きなアドバンテージでした。娘が寝てから集中して仕事ができるので起きている間は思い切り遊べますし、妊娠中の体は突如として休みを欲することもあり、自分の体の声に正直に、無理せず仕事を続けています。

世間のペースに合わせなくて良い(好きなときに旅行ができる)

これは実際に家族ノマドをして実感したことですが、お盆休みやゴールデンウィークといった大型連休に合わせて旅行をする必要がないので、自分たちのタイミングで、航空券が一番お得な時や気候がベストな時に旅に出られます。今回の大型旅行でも、非常にお得に回ることができましたし、もう混雑しているときに並んだりすることは考えられません。もちろん日々の生活でも、どこかへ出かけるときは混雑する週末ではなく平日を選ぶことが多いです。

家族のサポートもできる

例えば夫が店を立ち上げたら、妻が手伝いをするというのはよくあるケースだと思います。そんな時、妻がオフィスに通勤するスタイルのフルタイムの仕事をしていると絶対に無理ですが、私の場合は、たとえば人が足りない時にスタッフとして入ってサポートをするというようにフレキシブルに対応できます。その間も、私自身の収入はキープできるので、万が一、店がうまくいかなくなったとしても一人分の収入は確保できます。これは家族全体にとって大きな安心感を生み、またチャレンジもしやすい方法だと言えると思います。私の夫はバンクーバーで自分の店を立ち上げ、将来的にはこれを拡大したり、東南アジアに店を出す計画も持っていますが、必要とあればサポートをして、夫婦で夢の実現をできれば良いなと考えています。

世界中、思い立ったところに住むことができる

こんなに気軽に海外に行くことができる時代、しかもビザの優遇も世界でピカ一の日本という国に生まれて、世界を見て回らないのはもったいないと思います。そして、その国のことを知るには、やはり一定期間住んでみることです。旅行で数日間住むだけでは、表面上のことしかわかりません。実際に、私もカナダに15年住んで、どこが境界線なのかもわからないくらい自分の思想に影響を与えていると思いますし、15年とは言わず半年~1年くらいといった期間でも、人生に大きな影響を与えるのではないでしょうか。私たち夫婦は、子どもにも広い世界を見てほしいと思っているので、できる限り連れて見せて回る予定です。

私は英語を教えていますが、子どもの英語教育には実はあまり興味がありません。世界の色々な場所に住むことで、文化や思想といった言葉よりももっと大きなものが子どもの考え方に影響を与えると考えています。その中には、日本に住んでいるだけでは決して得られないことも多いことでしょう。今のところ、ヨーロッパや東南アジアに住む計画を夫婦で話しています。拠点は日本に置きたいと思っていますが、特に出身の関西にはこだわっておらず、暖かくて住みよいところならどこでも良いと考えています。

女性にとってのベストなライフスタイルとは

こんな話をすると、よく「キャリアも子育ても、そして住む場所も自由にしたいなんて欲張りだ」なんて冗談まじりに揶揄されますが、私が日本に帰ってきて感じたのは、「日本人女性は頑張りすぎ、我慢しすぎ」ということでした。同年代の友人はまさに今子育て真っ最中ですが、ほとんどが共働きで、フルタイムで働きながら家事・育児のほとんどを担っているという状態です。旦那さんはというと、こちらも忙しくて家事や育児の分担をすることはほぼ不可能です。このような状況を見て、未婚の女性が「子どもを持つと女性が損をする」というイメージを持つのも無理はなく、日本の少子化問題につながってしまっていると思います。

しかし、私は違う生き方もあると言いたいのです。たった一度しかない人生を楽しみ、運命的に出会ったパートナーとずっと仲良く、子育てもマイペースで楽しみ、何ものも諦めない。そんなライフスタイルは可能だと言い切ることができます。現に、私たちは家族で世界一周を実現して、場所や時間にとらわれない自由な生活をしています。何か見えない力に制限を受けているように生きている人が多い中、私たちのような生き方を話すと驚かれますが、それが普通の世の中になっても良いと思っています。全員が起業するべきだとは言いませんが、そういった選択肢を模索するということが可能であることを知ってほしいですし、「諦めずにすべてを求めても良いんだよ!」と言いたいです。

これからチャレンジしたいこと

一度きりしかない人生、思い切り楽しんで色々な経験をし、笑顔と愛があふれる生活がしたいと思っています。そのために、小さなことから大きなことまで色々な決断をしてきましたし、これからもしていくと思います。自分の気持ちに正直になって、「好きな場所で好きなこと」をやり、家族を大事にしつつも、好奇心のおもむくままに色々なことにチャレンジしたいです。

自分のビジネスは軌道に乗ったと言えますし落ち着いているので、これからは自分という個人を打ち出して発言力、影響力が少しでもあるような存在になれたらという希望を持っています。とりわけ、先に書いたような女性の地位向上(というほど大げさではなく、もっとわがままに生きよう!という提案ですが)や、家族ノマドやリモートワーク、ミニマリストといった概念をキーワードに、英語力をうまく組み合わせ、出版や講座などを通じて社会に一石を投じることが、今の私にとっての理想です。

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