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コミュニティで里山起業を目指すシェアハウスと「ふるさと起業家支援プロジェクト」への挑戦

Text:鶴田勇気
編集:トイロハ・ワークス編集部

シェアエコノミーで里山をアップデートする「里山ベース ハナビ」

初めまして。住める・泊まれる・遊べるシェア古民家「里山ベース ハナビ」代表の鶴田勇気です。

ここは大阪の中心地、梅田から電車で50分、駅から徒歩6分にある築100年越えの古民家で、2018年6月末よりシェアハウス・ゲストハウス・コミュニティスペースとして運営しています。2019年1月現在、SNSのみでの口コミ集客で広告費を全くかけずに住民を9名まで増やし、月に100人以上の人が訪れる拠点となっています。

敷地面積600㎡、建物延床面積380㎡の広大な場所を活用し、シェアエコノミーと里山を融合させた古くて新しい暮らしを発信しながら、以下の3つに取り組んでいます。

・自然豊かな里山で心身共に健康に過ごす
・空き家をシェアする事で生活費を低減する
・遊休資産を活用することで初期投資を押さえ、ワクワクする事業を仕掛ける仲間を作る

里山には日本古来の循環型の暮らしがいっぱい詰まっています。今ではその暮らし自体が非日常体験コンテンツとなり、感動体験を提供できる場所になっています。人口減少による遊休資産の増加で初期投資を押さえての起業もしやすく、競合の少なさで若者が目立ちやすい、そんな里山が今、熱いのです。

自分の可能性を諦めてしまう事が一番もったいない

今でこそ僕も里山暮らしをしていますが、元々、都会に暮らしていた普通のサラリーマンでした。そんな僕が事業をやるきっかけとなったのは、親の借金の返済です。

父の口癖は「知らん、分からん、やっても無駄」で新しい事にチャレンジする事を諦めており、不摂生がたたって健康を害し、60歳を超えて貯金もなく、仕事も減らされ、希望もない日々を送る姿は見ていて本当に辛いものでした。

そこで感じたのは「希望を失い、チャレンジする事を諦めた人生ほどもったいないものはない」という事でした。父親は勉強が苦手でお金の計算も出来ない性分でしたが、嫌々ながらもずっと毎日同じ仕事を続ける真面目さはあったわけで、その個性を活かせる場所がこの地球上のどこかに絶対あったはずです。

でも、人生のチャレンジを諦めてしまい、自分の能力を活かせる機会にも恵まれず、希望を失って生きている。心の底からもったいないと思いますし、悲しいという言葉では表現しきれない感情がわき起こりました。

自分は絶対にそんな人間にならないと決め、お金の勉強をするために副業でブログを書き始め、コツコツ続けているうちに、知り合いからお金の相談をされるようになりました。お金に苦労した自分だからこそ伝えられる事があるのではないかと考えてはじめたのが、家計の見直し相談です。年間100件以上の見直しをしているうちに、ブログは月間41万PVまで成長していました。

そこで、自分のやりたい事に時間を使いたいと思い、退職して独立したのが2017年1月です。その後、家計見直し相談を続けていくのですが、また新たな悩みにぶち当たりました。家計の見直しで表面的な数字を改善しても、その人の生き方が変わらないとその人を幸せにできないと感じ始めたのです。

結局、使えるお金の額が増えたとしても、お金の使い方が自分の人生の成長に繋がらない限り、その人の幸福度は上がりません。でも、そんなにすぐに人は変わりませんし、何かにチャレンジする人も思ったほどいません。

そこで思いついたのがシェアハウス「里山ベース ハナビ」の運営でした。ここを拠点にコミュニティに長く関わることでこういう課題を解消できるのではないか、ついでに生活費もかなりカットできるから最強じゃないか、と考えるに至りました。

ブログに始まり、家計の見直し相談、そしてシェアハウス・ゲストハウスと全然異なる事業をやってきていますが、僕の中では全て一貫しています。それは、「自分の可能性を信じて人生に挑戦する人を増やしたい」ということであり、その目的を形にするために手段を変えているだけです。

自分の可能性を諦めて生きる事が一番もったいない。強くそう感じています。

田舎で事業をする事のメリットとデメリット

そんな経緯でクォリティの高い里山暮らしの日々を送っているのですが、もちろん田舎で事業をしかけるにあたってはメリットがあり、そしてデメリットがあります。

まずはメリットからお伝えしましょう。

・自然が豊かで、景色が綺麗、ほんでもって静か

これは田舎の一番のメリットではないでしょうか。都会から帰って来た時の心が洗われる感覚はやはり何ものにも代えがたいと思います。静かで人もいないので、仕事をがっつり集中して行うにはいい場所だと思います。

・敷地が広い、BBQや焚火がし放題

これはお隣さんとの物理的な距離にもよると思いますが、うちは土地面積600㎡以上あり非常に広いので、どれだけBBQや焚火をしてもスペースが足りないという事はありません。

去年から鶏を放し飼いで飼っていますが、敷地内をそこら中楽しそうに散歩して草をつつきまくってくれています。おかげで、玉ねぎがやられましたが。

・なんか色々と安い!特に野菜がすごく安い!

よく道の駅に良い野菜が安くで売っていて、都会から来た人が沢山買っていく風景を見ますが、地域の直売所にはその道の駅よりも更に安い金額で、良い野菜がたくさん売られています。無農薬の生産物などが本当に安いです。

小さい白菜が3つで100円だったりとか、農家さん、本当に大丈夫なのかと心配になってしまうレベルですが、めちゃくちゃ恩恵を受けています。

基本的に旬のモノしか置いていませんが、旬のモノだけで十分人間は生きていけますし、むしろ旬のモノを食って生きるのが本来の生き方であり、今となっては贅沢でもあります。

更には農家さんと知り合いになるとお野菜をタダでもらえたりするので、夫婦2人と子供1人ぐらいの里山暮らしなら野菜には本当にお金がかかりません。

・遊休資産が山のようにある

そして、事業的な面から言えば、ホント田舎は面白いです。今住んでいる土地面積600㎡、延べ床面積380㎡の築100年越えの古民家も賃貸ですが、月5万円で借りています。都会で同じ条件の物件を利用するなら月何十万とかかるような代物です。

・若い事業者はすぐに目立って、信頼してもらえたら色んな話が来る

外から移住者が突然やって来るとはじめは「何だこいつは?」と警戒される事が多いですが、何かしら結果を出して信頼を積み上げていくと、そもそも若い事業者が少ないので、少しずつですが「こんなんあるけど活用できへん?」みたいな話を持ち込んでいただけるようになります。

地域の実力者に信頼してもらうまでのゼロイチが大変ですが、若者を応援したい年配の方は少なからずいるので、そこにハマればやりがいもあり、すごく楽しいです。

ただ、僕一人では田舎の資源は使いきれるものではありません。なので、僕がコツコツ作っている地域とのコネクションと外のプレイヤーをどんどん繋げて、一緒に田舎の資源を活用してワクワクをしかけていきたいと思っています。

が、もちろんメリットだけではありません。田舎のデメリットにはこんな事があります。

・やっぱり都会からは近くは、ない

これは言わずもがなですが、全然近くないです。僕は都会のイベントの出席率が極端に減りました(笑)。ただ、これはどこに行ってもつきものなので、田舎に住むつもりなら受け入れるべき点かと思います。

・寒い。古民家の底冷えは半端ではない

これは住む環境にもよると思いますが、古民家は冬は本当に寒いです…。

底冷えとはよく言ったもので、家の中にいても外にいるのと変わらない気温で、隙間風が吹き込んでくるので家の中でも着るものは外着と変わりありません。かといって、暖房器具を使って温めようとしても隙間だらけなので暖かい空気はガンガン逃げて一向に暖まりません。

僕もDIYで断熱工事を行いましたが、中途半端に断熱対策してもあまり効果がありません。古民家に住むなら気合は必要です。おかげで生きる力が自然と身に付くと心得ましょう。

・自分から仕掛けないと何も起こらない

これはつくづく思うのですが、自分で何かを仕掛ける人じゃないと、里山は本当にやる事がないと思います。なぜなら、人の母数が少なく、情報や人材の流動性が低いからです。

また、都会だと会ったその日その場で一緒にやる事を決めるというスピード感がありますが、田舎はまず集まって話し合って次の話し合いの日程を決めて…と、スピードにおいては都会と違うことも否めません。

田舎は何かを仕掛ける側からすると、非日常体験が出来る資源がたくさんあって面白いのですが、人が少ない分、待っていても何も起こりません。そこはメリット、デメリットが表裏一体と言えます。

・田舎には事業家が少ない

また、田舎が縮小していく大きな理由のひとつとして、事業者が少ない事、つまりプレイヤー不足が一番の課題かと思います。

それは地域のイベント企画等で顕著に現れます。地域活性化のために起ち上がった地元の団体に対して行政から補助金がおり、箱モノを作って運営をしているものの、持ち出しばかりの赤字運営で補助金が打ち切られ、その途端に回らなくなるというものです。

一時的に人をイベントで集める事が出来ても継続的に人が来なければ運営が出来ません。しかも、人が来てもらったところで常設のお店も少なく、お金を落とすところがないので、一過性のものになってしまい関係者が疲弊してしまう。そんな悪循環はどこの田舎も抱えている大きな問題かと思います。

正直、すべての田舎を盛り上げるのは人口カーブ的に不可能であり、今後は自治体間でもより一層格差が出てくると思うので、いかに田舎に勢いのあるプレイヤーを呼べるかがカギかと感じています。

色んなもったいないが沢山あるそんな田舎の遊休資産と、外部のプレイヤーを繋ぐ人に自分はなりたいなと思っています。

楽しいと感じる事を仕事にするためのチャレンジ

このように色々と里山愛を述べてきましたが、正直に言えば、お金を稼ぐだけならどうあがいても都会の方が楽です。企業に勤めて週休2日で月に20万円もらえる仕事は都会には山のようにありますが、田舎で毎月コンスタントに月20万円を自分の事業で稼ごうと思うとかなりの覚悟が必要です。(ウェブだけで仕事が出来るアフィリエイト等は別ですが)

どうしても人の母数が少なく、アクセスもよくなく、物価が安いので普通にやっても客単価は下がってしまう。でも、今一度、考えてみてほしいのです。

「本当にその20万円、稼がないといけないのか?」

僕の場合は、運営しているシェアハウスに住んでいるので、生活費は全てシェアハウスの経費に入っていて、生活は0円みたいなものです。

住民が支払うシェアハウスの家賃には水道光熱費、インターネット、それに野菜や米も含まれています。つまり、それだけ払えば死なないシェアハウスというわけです。

実際のところ、2019年1月現在では、まだ家の修繕のためにお金がかかるので収支がトントンで利益が出ていないような状況ですが、会社勤めの時よりも圧倒的に時間に余裕があり、その時間で色々と仕掛けられますし、生きるには全く困っていません。

都会でガバリバリ稼いでキラキラした生活をしたい人には里山暮らしは合ってないでしょう。でも結局は、24時間のうち、自分が仕事もプライベートも含めてどれだけストレスが少ない生活に近づけていけるのか?だと思うのです。

そうして、最終的には仕事とプライベートの境界線がなくなり、自分が楽しいと感じる事を全力でやっていればそれが自然と仕事になるというのがひとつの理想形だと考えています。

そのチャレンジを回すためのひとつの方法として、生活費を小さくする事は大切なアプローチであり、里山+シェアエコノミーではそれが可能になると信じています。もし仮に田舎が肌に合わなければ、また違う事を試してみればいいだけなのです。

そして、それを後押しする制度が、実はあるのです。

地方活性化の切り札「ふるさと起業家支援プロジェクト」

僕は現在、「里山ベース ハナビ」の改修の資金調達のために、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングに挑戦しています。

大阪イチ便利な里山より、「里山」+「シェアリングエコノミー」で人生のチャレンジの土台を創り上げたい!

ふるさと納税の制度についてはこちらを参照いただきたいのですが、自治体に対して寄付をすると所得税や住民税の還付や控除が受けられたり、返礼の品物を受け取ったりできる制度です。

そして、2018年4月1日からは、地方の特産品をリターンとしてお返しする従来のふるさと納税だけではなく、自治体が認めた民間の事業者に対してクラウドファンディング形式で資金を集める事ができる制度が出来ました。それが、ガバメントクラウドファンディング「ふるさと起業家支援プロジェクト」です。

(※画像引用:総務省)

地方自治体がふるさと納税を活用してクラウドファンディングを行っていますが、決済、入金確認、広報などの業務を、ふるさとチョイス等の民間企業に委託して運営しています。ふるさと納税の枠を使ったクラウドファンディングなので、寄付者は税金の還付とリターンを受けられます。

プロジェクトの内容にもよりますが、一般的なクラウドファンディングの平均支援額が1万円前後であるのに対して、ガバメントクラウドファンディングは2万円~3万円になります。

また、大都市だとややもすると役所との距離が遠い感覚がありますが、地方自治体だと大都市よりは圧倒的に距離感が近いぶん働きかけもしやすいです。実は、豊能町でこの「ふるさと起業家支援プロジェクト」に挑戦するのは僕が初めてのケースで、僕の熱烈なアピールの結果、役所の方に奮闘いただき導入される事になりました。

この制度を活用するには必ず行政の協力が必要になりますが、「ふるさと起業家支援プロジェクト」を発信力のある若者が活用して、地域で起こす事業に取り組む事が出来れば、地方活性化が加速するはずです。

それにはまず僕がしっかりと実績を出して、ロールモデルになれるように頑張っていきたいと思っています。そしてその後に続く里山起業家が増えてくれたら嬉しい限りです。

豊能町を暮らしながら仕事を紡ぐ里山暮らしの聖地としたい

そんなこんなで縁もゆかりもない土地に移住してきて、半年でシェアハウスの住民を9名まで増やせた事は色んな方の協力の賜物であり、結局はどこに行っても「人」だと感じています。

今はまだ専業でご飯を食べられる人がいない状況ですが、今後の目標は、シェアハウス住民をまずは20人にし、住民の中で里山起業で飯を食える人を増やして行く事です。前向きなエネルギーを持つ人が20人もいれば、たいていの事は出来るコミュニティになると思っていて、個人個人ではなくコミュニティ全体で仕事が出来る繋がりを作りたいと思ってます。

大阪の中心地である梅田から電車で50分、徒歩圏内に広がる里山の環境はまだまだ可能性に満ちあふれているので、徳島県の神山町に続くようなローカルで働く人が集まる場所に出来たら面白いなぁ、と考えています。

ゼロからでも一念(一年)あれば、人生は変えられる。

「里山ベース ハナビ」を立ち上げてちょうど一年後の2019年6月には大規模修繕も終わります。その際、胸を張ってリニューアルオープン出来るように頑張っていきますので、引き続き温かく見守って頂けると嬉しいです。

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