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2019年のリモートワーク・トレンドを探る〜リモートワークの現在、そして未来〜

Photo by Brooke Cagle on Unsplash

Text:Aleyda Solis(remoters
翻訳:東山りつこ
編集:トイロハ・ワークス編集部

かつて、リモートワークは発想の奇抜さで面白がられながらも、さして話題にのぼらず、実際に導入に踏み切った企業はほとんどなかった。だがその時代は終わり、今や状況は一変した。2025年までに、リモートワークが固定オフィスでのワークを越えるとまではいかないが、ほぼ同数になる可能性のあることが調査で明らかになった。

オフィスの場所に拘束されなければ、自社の力を拡大でき、有望な人材の採用においてもメリットがあることは、今や多数の企業が認めるところだ。よりバランスのとれた仕事と生活(ワークライフバランス)、都会の高い家賃に悩まされず、通勤のストレスもなく、環境にも優しい、発展途上国から先進国企業の仕事をする機会も増えるだけでなく、小規模都市の人口増加や組織における多様化なども促進される。リモートワークは、世界の組織の働き方スタンダードとして、ますます勢いづいている。

では、2019年、リモートワークはどのように進化するだろうか?個々の企業や各個人によってその進化は千差万別だ。進化を支えるリモートワーカーと雇用側のコミュニケーションを支援する最新のツールやトレンドとは?この問いの答えの前に、リモートワークや組織、実際にリモートワーカーとして働くプロフェッショナル達の現状について紹介しよう。

リモートワークの現状

米国企業の約3分の2が、オフィス外で働く従業員を雇用している。2018年前期の時点で、おおよそ米国の390万にのぼる人々がリモートで働いており、2005年に報告されたリモートワーカー数から115%増加している。

劇的増加の要因

多くの企業がオフィスを構える大都市では、生活費が高くつくため、確保できる人材が限られてくる。しかし、リモートワークは、生活費が安い他の土地に住まう人材の新しいタレントプールの可能性を拓いた。リモートワークという形態なら、オフィス所在地には居住していないが望むレベルの才能と経験を持つ従業員を採用できるということに企業も気付き始めている。おまけに、採用された従業員と企業の双方においてコストを抑えられる。リモートワークは、仕事のための転居ができない、あるいは転居を望まないスキルのある人材に門戸を開いてくれる。

そして、住居の地理的な点だけが、リモートワークを決定づける要素ではない。「デジタルノマド」の生活も人気を集めている。そのため、フルタイムの従業員でありながら、福利厚生の一部として移動しつつどこからでも働けるフレキシブルな就業条件を交渉するケースも出始めている。

リモートワークのメリットを享受するのは雇われる側だけではない。リモートで働くミレニアル世代の82%以上が、結果として会社に対する忠誠心が増したと答えている。雇用側は、採用活動や教育のコストをあまりかけずとも、忠実で意欲的な労働力の確保ができるのだ。また、この調査では、オフィスにいないと生産性が低下するのではないかという古風な企業の考えに反し、 リモートで働く方がむしろ生産性が向上するという結果も示されている。

リモートワーカーのプロとしての我々の経験や、また実際にリモートワーカーや組織、エキスパートにインタビューした「Remoters Interviews」への回答も、その傾向を裏付ける結果となっている。リモートワーカーの多くが、リモートワークの利点として「時間や場所のフレキシビリティ」をトップに挙げ、続いて、「生産性向上」を挙げているのだ。

リモートワークの課題

もちろん、利点ばかりでなく、課題もある。リモートワークでは、昔ながらにオフィスで働くのとは、全く異なるマインドセットが必要とされる。実際、リモート雇用の20%の人々が、一人きりの仕事環境に変わったために孤独を感じると訴えている。でも、心配ご無用。あと数クリック先でその解決策に出会えるだろう。(よくあるリモートワークの別の不満「コミュニケーション障壁」用のソリューションにも)

リモートワークツールとコミュニケーションプラットフォームは、単純な電話機能やメール機能をはるかに越える進化を遂げてきた。ビデオチャットプラットフォームは、過去の会議ツールでは決して成し得なかった方法でリモートワーカー達をつないでくれる。今日では、多様なビデオやチャット、協業ツールが提供され、共に働く同僚と即座につながり、ビデオで「顔と顔」をつきあわせることが可能になった。

リモートワーカーと雇用側の別の懸念は、業務管理だ。雇用側はリモートワーカーが業務時間を無視していないかを心配する。リモートワーカーの方は、自分の仕事を気にかけている人がいないかのように感じ、古いことわざの「去る者は日日に疎し」のごとく、そのうち忘れられてしまうのではないかと感じる。

これは、「Remoters Interview」でのデメリットに関する調査結果を彷彿とさせる。その結果でも、「個人的な交流の欠如」と「孤立/孤独」がトップに挙げられていた。

リモートワークにおける課題の解決策とは?

固定オフィスの仕事環境が変化しつつある現在、雇用側は従業員管理方法の包括的な変更を迫られている。最初のステップは、リモートワークポリシー策定に際し、経営幹部会から100%の同意(バイイン)を取り付けることだ。そのため、コミュニケーションツールのプランや、導入プロセスやアクティビティ、距離弊害を回避するためのプランを用意しておく必要がある。また、従業員が自宅で仕事することを選択した場合も、孤立感を深めないように、コワーキングスペースでも週に数日働くことができる、「チームリトリートに参加できるなどの選択肢を準備しておくことが望まれる。

就業者の83%が、オフィスにいなくても生産性は上げられると感じている。リモートワーカーにビジネスの真価を発揮させるため、いかにリモートワークツールやプロセス(そして信頼)を与えられるか。それは雇用者次第というところだ。

2019年におけるリモートワークのトレンド

世界的に、リモートワークはビジネスの「基本」として人気を集めている。多くの利点もあれば、同様に課題もある。それらを踏まえながら、近い将来の注目すべきキートレンドをいくつか紹介しよう。

1. 特化したデジタルスキルと英語スキルが決め手

どの就業モデルタイプ(固定オフィスを含む)でも、基本の技術ツールやデジタルツールの機能を使いこなせることは期待されるが、リモートワーカーには、より高いレベルのデジタルスキルが求められる。それは、地理的な距離を近くし、スムースにプロジェクトを進行させるコミュニケーションツールやワークフローツールを十分に使いこなせるスキルだ。

今後数年は、人事マネージャの78%はリモートワークに特化したスキルを持つ人材を求めるようになる。現在、リモートワークの職で高いシェアを占めるのはデジタル系の仕事だ。例えば、デジタルマーケティング、Web開発などは、これまでもリモートで従事しやすい仕事とされてきた。

リモート職は、仕事のための転居を望まない、またはできない人にも、新たな働くチャンスを与えてくれる。リモートワークに必要なスキルの市場価値が高まれば、それを条件に給料や福利厚生を有利に交渉することもできる。企業による人材投資は、リモートワーカーを惹きつけ、長期雇用を実現する有用で継続的な教育とトレーニング実施に集中するようになるだろう。

また、海外企業のリモートワークを探している場合(Remotersの求人セクション参照: フレキシブルな就業環境を提供している企業の多くは欧米発企業)、 世界中の人々で構成されるチームとの連携やコミュニケーションのために避けて通れないのは、同一の言語を使用することである。大抵の場合、その言語は英語となる。そのため、現時点のほとんどのリモート職のポジションでは、流暢な英語力を求められる。

2. 「ただのリモート」ではなく「フレキシビリティ」を-多くの企業が支援を開始

多くの人にとって、リモートワークは好ましい形態だということを、組織は認識し始めている。しかし、実際には、個人の性質やニーズに基づいた選択が可能か、柔軟性があるかどうかが重要なのだ。ある研究では、リモートワークの特徴的な側面が明らかになった。これまでの調査やRemotersインタビューを通じてわかったことは、すべてのリモートワーカーが、単に旅行好きでオフィス以外の場所で働くことだけに固執しているのではなく、真に求めているのはフレキシビリティである、ということだ。

企業がリモートワーク環境を導入するにあたり、最優先とするべき事項は、前述の課題 (孤独感や個人的交流の欠如) をリモートワーカーが乗り越える手助けとなる策を提供することだ。人との交流を求めるなら、いつでもコワーキングスペースやコリビングの場所を利用できるようにする、 Remote Yearにあるようなグループ旅行のプログラムを用意する、チームリトリートを計画する、同様に、リモートワークのニーズにもっと特化して進化したコミュニケーションツール ( Pukkateamや Focusmateなど)を使い始めるのもよい。

3. カフェやコワーキングスペースは、柔軟性とサービス充実でリモートワークフレンドリーに

Remotersインタビューの際、リモートワークの場所として最も回答が多かったのは、コワーキングスペースでも自宅でもなくカフェだった。また、多くの人がいろんな場所を仕事場所として挙げたが、どれか1つに特定することはなく、むしろその時々に応じて異なる場所を選べるフレキシビリティが、ここでもまた重要だということがわかった。カフェは未だ「リモートワーク」に適しているとは言えず、リモートワーカーに共通する高いニーズには、是非対応してもらいたいところだ。コワーキングスペースにおいては、一日利用パスやデジタルノマドが利用しやすい仕組みが求められているので、その対応を考えた方がよいだろう。

4. 続々登場、リモートワーク推進用の新ツールやプロトコル

既存の生産性向上やプロジェクト管理、通信のためのツールのGoogle Suite、Slack、Asana、SkypeやTrelloなどは人気があり、リモートワーカー達にもすっかり定着している。しかし、よりリモートワーカーをサポートすることに焦点を絞った特有の機能を搭載した新世代ツールも登場している。例えば、容易なビデオ録画と共有システム Loom、完全自動で業務時間の追跡を可能にするtimely、業務推進のための仮想コワーキングシステム focusmate、ビデオルームでの仮想コミュニケーションを可能にする Pukkateam などだ。

さらに、より強固なセキュリティ対策も必須だ。リモートワーカーが管理するデータを保護するには、安全策を追加して設定しなければならない。たとえば、インターネット接続にはVPNを使用させる、パスワードマネージャを使用させる、などだ。リモートワーカーの38%は、自身のITやセキュリティに関する専門的な知識については自信がないと答えている。そのため、企業はリモートワーカーに、新しいセキュリティツールやプロトコルを提供する必要がある。

リモートが仕事流儀の未来図

分散業務形態に特化した新技術と需要の進化に伴って、リモートワークも共に進化していく。新しい世代の働き手が、仕事の場所や仕方を定義しつつある。そして企業は、才能のある優秀な人材を惹きつけ、逃がさないために、仕事のしやすさと円滑なコミュニケーションを実現する方法を模索しつづけなければならない。郵便番号にとらわれず、に。

リモートワークを始めたいのなら、デジタルノマドとリモートワークのリソースガイドリモートワーク求人案内ツールインタビューのセクションをリソースとして参照してほしい。ヒントとコツが満載だ。

オリジナル記事:Remote Work Trends for 2019: The Present & Future of Remote Work

原著者:Aleyda Solis
国際的なSEOコンサルタント、講演者、著者。Remotersnet創業者。2018年度European Search Personality受賞。Twitter: @aleyda  @Remotersnet Website: Aleyda Solis

 

 

 

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