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週3日東京出社の2拠点生活から安曇野でのリモートワーク体制へ〜地元とオンラインで人間関係をつなぐもの

テキスト:鶴飼博将
編集:トイロハ・ワークス編集部

北アルプスの玄関口、安曇野へ移住

大学進学のため北九州から上京して20数年経った、2015年9月のある日。なんの気なしに当時の持家を不動産売買の一括見積サイトで調べてみたら、案外値が付くことがわかり、奥さんに話すと、じゃ、家売って移住しちゃう?と乗り気になった。そこからすべてが始まった。

移住を思い立ち、今まで経験したことのない田舎暮らしをしてみたいとは思ったが、かと言って人里離れた山の中などはさすがに不便で住めないだろうと考えた。そこで選択したのが長野県安曇野だった。

ある程度利便性が高いこと、北アルプスの雄大な自然環境に恵まれていて子供の健康にも良いこと、また、カフェギャラリーを開きたいと考えていたので大好きな美術館が多く点在することなど、ここ安曇野は、そういう意味では理想的な場所だった。

当時勤めていたウェブマーケティング会社の社長に相談したところ、意外にもすんなり受け入れてくれて、週3日出社、あとはリモートワークでの働き方を勧めてくれた。翌年の3月には安曇野に移住し、そこから東京と安曇野の2拠点生活が始まった。

その後、フリーランスになったが、前職の会社とも契約関係を結んで引き続き仕事する他、別の会社とも契約できて仕事に励んでいる。奥さんがメインでのカフェもオープン、僕もそのカフェでコワーキングスペースを始め、今に至る。

そんな2拠点生活では、例えば1月のある1週間はこんな風に過ぎていった。

月曜日
朝8:00の特急列車あずさに乗り11:00に東京の会社に出社。クライアントとの打ち合わせに出かけ、帰社後、社内でのMTG。
18:55の高速バスで新宿から22:00過ぎに松本まで帰り、松本から車で30分安曇野へ帰る。

火曜日
朝7時に子供を車で送り、帰ってからBacklog、slack、メールなどチェックして仕事に入る。
10:00から、Google Hangouts Meet で会議、昼は奥さんの作ってくれたご飯をヒルナンデスを見ながら食べる、午後はまた仕事をする。
夕方、子供を学校に迎えにいき、先週の疲れが溜まっているのでうちから車で10分の温泉に浸かりに行く。帰って、薪ストーブで暖まった家でのんびりと過ごす。

水曜日
朝、子供を送り、帰ってBacklogなどチェック。水曜日はコワーキングスペースを開く日なので、店の掃除をして開店準備。
10:00開店後、コワーキングスペースで自分の仕事を続ける、するとお客さまが来店、コーヒーを淹れてお出しする。その後また、自分の仕事を続ける。
17:00閉店でお客さまをお見送りして、閉店。夜は外食なので、近くの回転寿司屋に行って晩ごはん。

木曜日
今日はカフェ「月とビスケット.」の営業日なので、朝、子供を送ったら、開店準備。
10:00〜16:00店頭に立ち、コーヒーや紅茶などドリンクを淹れ、ランチを用意したり、お皿を洗ったり。途中、店がヒマな時間には、iPhoneでBacklogやslackのやり取りで自分の仕事もする。

金曜日
木曜と同じくカフェの営業日なので、店頭に立つ。途中、どうしてもPCでやらなければならない仕事があり、カフェ裏の自分のデスクでひと仕事。その後また、カフェでドリンクを淹れるなど。
途中、Amzonからの宅急便が届いて、毎日のように顔を合わせるお兄さんにあいさつを交わす。

土曜日
カフェは木〜土の営業で、土曜はやはりカフェが忙しいため、1日、ばたばたとカフェの営業にかかりきりになる。
お店が終わり、晩御飯のあとは子供達の大好きなアベンジャーズをAmzonPrimeで鑑賞会。

日曜日
平日に雪が降ったので、コンディションが良さそうだと思い、朝7時にうちから車で1時間ほどのMt乗鞍スノーリゾートに、息子と2人でスキーに行く。
2〜3時間滑って、混んで来たので切り上げ、乗鞍温泉に浸かって家路に着く。いつもと違う温泉もまた良かった。
午後はいつもは奥さんがやる薪ストーブの着火をたまには僕がやり、火を眺めながらのんびり過ごす。
夜は、子供がハンバーガー食べたいというので、車で5分のマクドナルドへ買い出しに。僕は大好きなビックマックをほうばった。
夜に、先週手を付けられなかった仕事を少し片付ける。

以上、これが僕の1月のある1週間だ。

安曇野での贅沢な生活のこと

僕が住んでいる安曇野の場合は、まず車が必須条件だ。車がないと、何も始まらない。車さえあれば、買い物するにはなんの問題も無い。大型スーパーやホームセンターは、むしろ東京にいた時よりも品揃えが良いように思える。

流行りの飲食店やおしゃれなアパレルブランドなどは当然ないが、大手の飲食店やファストファッションの店はあるので、日常的には特段困ることはない。それに、東京にいた時もよく利用していたAmazonやZOZOTOWN、楽天などなどを使えば、ほとんどの物は手に入る。困るのは、宅配便の訪問の回数と、処分するダンボールの枚数が多いことぐらい。

子供達の学校はさすがに遠いので、多少送り迎えなどの手間はかかるが、在宅で仕事しているのでその融通は効きやすい。

環境については、毎日でも行ける温泉、水や空気の美味いこと、北アルプスの素晴らしい景色などどれも最高で、日々癒される。趣味のスキーも1時間ほどでゲレンデに行けるので毎週のように行けるし、帰りに温泉にも浸かれて言うことなし。

安曇野は観光地としても有名だが、都会の皆さんが日頃の疲れを癒やすために何時間もかけてやって来ては、慌ただしく帰って行くのを見ると、これを日常として楽しんでいる僕は本当に贅沢だなと思う。

環境の変化にいかに順応できるかがキモ

移住を思いついたら、計画を立てることも大事だが、まず行動してみることが必要だ。動いてみると、自分を取り巻く環境が変わり、これまで自分との接点がなかった部分がつながって、見えなかった景色が見えてくる。

僕の場合、移住することを会社の社長に話してみたところ、先に移住した知人を紹介してもらい、その人から移住や2拠点生活の参考になる話を聞く機会を得た。それで、はじめて週3日上京するという具体的な働き方を考えることが出来た。

それから、生活環境の変化にどれだけ順応出来るかも重要だ。ワークスタイルの変化ももちろん、住む場所が変われば文化や慣習も変わったりするが、その違いにいちいち戸惑っていてはただただ疲れるだけになる。

新しい土地では、地元のコミュニティに積極的に参加することも大事だと思う。地域にもよるが、僕が今住んでいる地域では、隣組や区という集落単位での寄合みたいなものがあり、その加入を勧められる。うちは店もやることだし、もともと郷に入っては郷に従えという性分なので加入しているが、おかげで近所付き合いのことや、お祭りや地域の風習が分かりとても過ごしやすくなる。

また、僕はサッカー観戦が好きなので、松本山雅の後援会に入ってファンの皆さんと交流している。奥さんはお店を中心に、地域で活動している作家の方と知り合ってギャラリーでの展示会を開催したり、他のお店の人達などと交流してイベントを実施したりといろんな活動をしている。

リモートで仕事する時に気をつけていること

僕の仕事は、以前からウェブサイト制作のプロデュースやディレクターだったが、移住してからはディレクター業務がメインだ。たまに東京に行くこともあるが、今ではリモートワークに多くの業務時間をあてている。

リモートワークでも十分対応できると思ったのは、東京にいた時も、打合せ以外はほとんどPC上のデジタルコミュニーケーションで仕事を遂行できていたからだ。福岡や、大阪の案件なども、現地に居なくとも難なくこなせていた。これは後述するBacklogやslackなど、ウェブ技術のおかげだ。

それに、僕たちの仕事における納品物もウェブページというデジタルデータなので、実際に会わなければ納品出来ないという事もない。ただし、全てがオンラインで可能、というわけにはいかない。やはり、顔を合わせたほうが良い時もある。

僕は、プロジェクトのキックオフなど、なるべく最初の段階では直接顔を合わせるようにしている。その後の、オンライン上での微妙なニュアンスもしっかりやり取りできるからだ。そこをクリアした上でなら、ほとんどの業務はオンラインでも出来てしまう。

もちろん、クライアントや仕事仲間の理解を得るために、なるべく早くレスポンスするようにしたり、オンラインであればなおのこと丁寧な説明を心がけたりといったことがとても重要だ。

相手を過信したり、勝手な思い込みがあると、曖昧な指示を出してしまい、その結果、上がって来た成果物が予定していたものと違う、という事態に陥ることもある。そうすると、それをリカバリするためにお互いに無駄な労力と時間を費やす羽目になる。

同じオフィス内で働いていれば途中で気づけることが、オンラインだと感知しにくいということに、常々、注意を怠ってはいけない。リモートワークで大事なのは、相手との信頼関係をより強く築くことだ。デジタルの新しいコミュニティツールを積極的に使い倒すことで、そうしたリモートの壁を取り払える。

参考までに、僕が日常的に利用しているツールをいくつかあげておく。

・プロジェクト管理ツール
Backlog
有料だが取引企業が利用している場合に利用することが多い。UIが良いので利便性が高い。

redmine
無料なので開発会社が利用することが多い。

・チャットツール
slack
無料でも十分で、拡張性、UIの完成度、スマホアプリも使いやすく、すでに業界スタンダード。

Facebookメッセンジャー
Facebookユーザーはハードルが低いので利用頻度は高い。ただしUIや拡張性は難あり。

・ビデオチャットツール
Google ハングアウト Meet
GoogleGSuiteが利用出来れば有用性が高い。

Skype
無料で利用しやすいが、アカウントがないと面倒。

appear.in
無料で、アカウントがなくとも利用可能。

ただし、これらのツールは便利だが、もちろん完璧ではない。そこをカバーするのは、やはり使う側である僕たちの知恵と気配りだと思う。円滑なコミュニケーションは仕事には欠かせない。誰しも一人では仕事はできない。

考えてみれば、地元とのつきあいも、オンラインでの業務連絡もつまるところすべて人間関係だ。そこをいい加減にしては、リモートワークも2拠点生活も成立しないと思う。そんなことを考えながら僕は仕事をし、安曇野での生活を家族とともに楽しんでいる。

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