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都会と田舎を移働する「分散型ノマドワーカー」という働き方〜とかいなかライフスタイルのススメ〜

Text:増田 真人
編集:トイロハ・ワークス編集部

分散しながら連携させることで最大効果を得る働き方

昨今、「時間と場所にとらわれない働き方」が徐々に社会に浸透することに伴い、大手企業や中小企業でも「副業OK」とするなど、企業側も雇用形態の改革を行おうとしている。

そうしたことが背景となって「週5日労働の正社員」という働き方から脱却し、「自宅勤務OK」「フレックスタイム制」などの制度をうまく活かして、フリーランスや個人事業として副業の収入源を持ちながら、2足あるいは3足のわらじで働いているワーカーも少なくない。

こうして、職種や職業を分散していくことで、万が一そのうちの1社が潰れるようなことがあったとしても、いきなり収入がゼロになることはない。この安心感は大きい。

また、仕事の領域を広げることで、様々な業務経験を積むことになり、ひいては個人の能力を引き出す可能性も高まり、またそれが次の仕事につながることも十分起こり得る。

私の場合、「週3日勤務でのレンタルオフィス運営」といった雇用形態で正社員として仕事をしつつ、それに加えて個人事業主としてWebコンサル、出張撮影、ライティング、クラウドソーシングといったビジネスもしている。

どれが本業ということはなく、どれも本業という認識でやっていたものが、数年続けているとそれらがうまく絡み合って善循環することに気づいた。

私はもともと都市部のレンタルオフィスの利用者だった。そのオーナーと縁があり、新しく出店したオフィスのマネージャーになった。つまり「利用する側」から「運営する側」に立場が入れ替わったのだ。

運営する側になって得た最大のメリットは、やはり人脈だ。利用者同士のつながりももちろんあるが、紹介されない限り口も聞いたことがない、というケースは案外多い。

しかし、運営側に回ると話が違う。基本的に同じ空間にいるワーカーのことは、全員知っている。信頼してもらっていることが前提なので、中にはプライベートな話をする人もいる。その人脈が広がるペースはかなり速い。そのスピード感の中で、自分のビジネスが拡張していった。

レンタルオフィスやコワーキングの会員に対して、Webコンサルやライティングのサポートをすることで、顧客フォローにつながり、同時に副業ビジネスにシナジー効果をもたらす。そうすると、「時間を切り売りする働き方」から、「固定的な収入を生む仕事」と「能力に応じた収入を生む仕事」がシンクロしレバレッジが効くことになる。

つまり、リスクを分散しながらもうまく連携させることで収益を増やすことができる。レンタルオフィスの運営側にいることがビジネスの分散化に大いに役立っている。

「移動」というクォリティータイムを生む「とかいなかライフスタイル」とは?

それに加えて、「とかいなかライフスタイル」で生み出される「移動」というクォリティータイムをどう活用するかで、更に効果が違ってくる。

「とかいなかライフスタイル」とは 通勤時間1時間前後の田舎に暮らしながら、正社員として都会で働くこともあれば、テレワークやインターネットを通じて副業で働くこともある、いわば「時間と場所に縛られない多様な働き方」を「副業」を前提に実践し生計を立てる、流動的でリスク分散した生き方のことを言う。

サラリーマン時代は「都市部のベッドタウン」から「都市部の仕事場」へ、つまり「都会」から「都会」への移動をしていたが、この「都会」から「都会」への通勤では、移動自体がストレスを生むために、仕事で抱えたストレスもそのまま持ち帰りがちだった。

それを「田舎」から「都会」への移動に変え、基本的に田舎をホームとする考え方に変えたことで、私自身の身体や精神に大きな変化をもたらした。

私は兵庫県に在住しているが、かつては東西に移動していたのを、南北に変えただけで、つまり田舎に居を移したことで渋滞や混雑に一切巻き込まれることのない移動を手に入れた。「都会から田舎」あるいは「田舎から都会」へ移動する間にストレスを緩和することが可能で、精神状態を平常に戻すことで心身ともにリセットできる。

そして、移動時間には、あえてパソコンを開いて仕事せずに、ちょっとした妄想タイムにすることで様々なアイデアやヒントを思いつき、移動後の時間をさらに有効的に活用することができる。

地方創生が叫ばれるようになって久しいが、依然として「地方移住」や「多拠点居住」、「分散型居住」といったことに関心が集まっている。しかしそれは、単に人口の移動のみを意味するのではなく、都市圏に一極集中していた「住む場所」と「働く場所」を目的に応じて分散させる、いわばライフスタイルの変革を意味している。

そうした働き方を、移動を前提とする「ノマドワーカー」にあやかり、「分散型ノマドワーカー」と私は呼んでいる。

私自身、「分散型ノマドワーク」というワークスタイルを取り入れることで、必然的に「移動時間」というクォリティータイムが、仕事自体のクォリティーアップにもつながっている。

行政の仕事にも取り組むことでさらにリスクを分散する

オフィスの運営側に回ったことで得たもうひとつのメリットが行政との縁だ。私が運営しているオフィスは、もともと行政委託事業としてスタートしたオフィスなので、行政とのつながりをとても大事にしてきた。

もちろん、助成金関係の情報が得やすいなどといったこともあるが、担当者レベルで相互に知り合っておくことで、様々なチャンスが巡ってくる。いちから行政との縁を結ぶのは、フリーランスや独立事業者にとっては結構ハードルが高い。会員やお客様に行政を紹介することも可能になり、さらにビジネスの幅は広がる。

また、行政寄りに仕事をしているノマドワーカーはそう多くはいないので、差別化にもつながると考えられる。実は、フットワーク軽く仕事をしてくれるノマドワーカーやフリーランスは行政にとっても融通が効く存在なのだ。

特に地方の行政にはいろいろとチャンスがある。まず、行政と民間の距離感がとても近い。大都市の行政になると縦割り色が強くなるが、地方行政となると民間色が強くなる。その分、民間側からみても親しみやすい。

そこで地方ではあまり実行されていないことを提案すると大変喜ばれるし目立つ。例えば、SNSでの情報発信などはそのひとつだ。そのおかげでメディアに取り上げられることもある。それでまたビジネスが広がる。

こうして地方でのビジネスモデルが成り立ってくると、新規参入がほぼない「ライバル不在の戦わない経営」が実現する。完全なブルーオーシャンである地方の場合は、成り立たせるまでに時間はかかるが、いったん安定してくると、強烈なライバルが現れない限りはオンリーワンをキープし続けることが出来る。

地方行政との縁をつなぐことは、分散型ノマドワークの隠れたメリットとなる。

様々なベクトルで「分散の意識」を持つということ

一極集中ではなく「分散」ということを意識して生きている「分散型ノマドワーカー」は、「都会と田舎」「民間と行政」「フリーランスと会社員」「場所と時間」など、様々なベクトルを組み合わせて分散することで仕事にシナジーを起こし、働き方や考え方、ひいては人生の送り方にも幅を持たせることができている。

私自身、子供の頃、親や先生から「何か専門性の高い仕事を目指しなさい」と言われて育ってきた世代だ。だが、この20〜30年で時代は大きく変わった。人生100年時代と言われている時代で、死ぬまで働くということをイメージした時に、ひとつの専門領域に特化した働き方は逆にリスクを伴うと考えている。

終身雇用が終焉を迎えた今、移動を前提とした「移働」という働き方に、「分散」という意識を加えることが有効だ。私にも子供がいるが、次の世代の人たちには、どんな職業につくかということよりも、様々な仕事に関われるような働き方をすることを勧めたい。

働き方の依存度を、時間や場所、あるいはお金においても分散することで、どんな未来が来てもリスクヘッジできるワークスタイルを確立することができる。そう信じている。

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